《皆様の声》
CASE

前十字靭帯損傷の
リハビリ
「前十字靭帯損傷のリハビリ」の方の
声

前十字靭帯損傷のリハビリ
H・Tさま 20代 男性
ACL(前十字靭帯損傷)断裂後(手術)後のリハビリテーション。前回通っていた整形外科ではなかなか治らなかった箇所が、ここに来るようになってから良化するのを自分でも感じることができています。1、2週に1度のペースですが、その間自宅でやるべきことも共有できていているので、通いやすく続けさせてもらっています。

「前十字靭帯損傷」について
■【症状】
前十字靭帯は膝関節の中にあり、大腿骨(だいたいこつ)と脛骨(けいこつ)をつないでいる強力な靭帯です。その役割は、主に前後への安定性(大腿骨に対して脛骨が前へ移動しないような制御)と、回旋方向への安定性(捻った方向に対して動きすぎないような制御)の2つがあります。 この靭帯を損傷すると、膝は前後方向および回旋方向の2つの方向に弛くなります。
スポーツ外傷として多く、ジャンプ後の着地、急激な方向転換、ストップ動作、相手との衝突などによって、膝関節に異常な回旋力が加わって損傷します。受傷時には『ブツッ』という断裂音(だんれつおん)を感じたり、膝が外れた感じがしたり、激しい痛みを伴ったり、徐々 に膝が腫れて曲りが悪くなったりします。膝の関節内に出血が見られることは、大きな特徴の一つです。
■【病態】
通常、切れた前十字靱帯が自然に癒合することはなく、永続的に膝の不安定性と不安感が残るため、一般的にスポーツ復帰を目標とした場合、靱帯の再建手術が必要となります。
再建手術は、自分の組織を用いて再建する(自家腱移植)のがベストな方法とされています。
■【注意点】
急性期を過ぎると痛みと腫れが軽減し、病院への受診と診断が遅れてしまう場合もあります。しかし、前十字靭帯の正常な働きがなくなると、関節の安定性が損なわれ、膝が容易にガクッと外れるような "膝崩れ(Giving Way)" という現象が生じます。部分的な損傷で "膝崩れ(Giving Way)"をほとんど生じない方もいますが、損傷した前十字靱帯が自然経過中で100%の状態にまで修復することは極めて難しいと考えられています。
スポーツ活動や日常生活動作で"弛さ"を感じたり、"膝崩れ(Giving Way)"を起こしてしまった場合、そのまま放置すると関節内の半月板(はんげつばん)や軟骨(なんこつ)を損傷(下図)してしまうリスクが高くなります。半月板や軟骨が痛んでくる病気は変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)といって、一般的には関節軟骨がすり減って痛む高齢者に多い疾患とされています。しかし、前十字靭帯の機能不全によって若年者でも生じることがあり、進行してしまうと日常生活動作にも大きな支障をきたしてしまいます。
(参照:順天堂大学病院整形外科スポーツ診療科HP)
「前十字靭帯損傷のリハビリ」の
症例報告
●主なお悩み
右の膝の内側や前面が痛む(歩行時)
●20代男性/学生
●経緯
約1年前に右膝の前十字靭帯損傷をして手術を受けた。病院でのリハビリを続けていたが、なかなか痛みが取れずに、まだ走れない。
●カラダ分析結果
・膝屈曲制限
・股関節前面の固さ
・お皿のモビリティ低下
・胸椎回旋モビリティの低下
・過回内
などのおカラダ問題点が見受けられました。
●経過
【施術1回目~2回目】
《目的》膝屈曲制限/股関節前面の固さ
《内容》
・股関節前面のマッサージとストレッチ
・お皿のモビリティエクササイズ
《次回まで》
・股関節前面のストレッチをご自宅でも行なって頂きました。
【施術3回目~4回目】2週間ごと
《症状》歩行時の痛みはなくなった、曲げ伸ばしも問題なし
《目的》股関節周囲の筋力UP
《内容》
・股関節前面のマッサージとストレッチ
・胸椎回旋モビリティエクササイズ
・股関節しゅうのトレーニング
・体幹のトレーニング
《次回まで》
・股関節前面のストレッチをご自宅でも行なって頂きました。
【施術5回目~6回目】2週間ごと
《症状》ジョギングをしたが問題なし
《目的》股関節周囲の筋力UP
《内容》
・胸椎回旋モビリティエクササイズ
・スクワットトレーニング
・体幹のトレーニング
《次回まで》
・胸椎のモビリティエクササイズをご自宅でも行なって頂きました。
【施術7回目~8回目】2週間ごと
《症状》走れるようになってきたが、サッカーに復帰したい
《目的》股関節周囲の筋力UP
《内容》
・スクワットトレーニング
・体幹のトレーニング
《次回まで》
・トレーニングをご自宅でも行なって頂きました。
●まとめ
今回は前十字靭帯の手術後約1年経過してもなかなか歩行時の痛みが無くならずに悩んでいるケースでした。最初は「走れるようになれば良い」とおっしゃっていましたが、だんだん良くなり、走れるようになると「やっぱりサッカーがしたい」というご希望に変わってきて、この後もリハビリトレーニングを続けサッカーに復帰されました。