《一生使う大切なそのカラダ》

POSTURE
姿勢改善
治療院の立場から
良い姿勢とは
姿勢改善したい方へ
■ 解剖学的に「良い姿勢」とは?
解剖学的に良い姿勢とは、横からカラダを見た際、上から順に、
①耳垂(耳たぶ)
②肩峰(肩甲骨の外端、肩関節の少し上)
③大転子(大腿骨の外に出っぱっている部分)
④膝関節前部(お皿の裏あたり)
⑤外果の前方(外くるぶしの前方)
を結んだ線がまっすぐ一直線になっている状態とされています。
さらに医科学的にみて「良い姿勢」とは、
①力学的に「安定している」
②生理学的に「疲れにくい」
③医学的に「健康である」
④心理学的に「心地よい」
とされています。

■ 「良い姿勢」のカギは、背骨の自然なS字カーブ
「良い姿勢」は、カラダの各部位が正しい位置にあり、無理なく余計な力を使わず支えられ、カラダがリラックスできているている状態となります。
そのカギは「背骨のS字カーブ」です。
背骨は頚椎7・胸椎12・腰椎5・合計24つの骨が連なって構成されており、まっすぐな1本の棒ではなく、前後に緩やかなS字カーブを描いていることが自然です。
座っていても、立っていても、この背骨の自然なカーブが保たれている状態が「良い姿勢」と言えると思います。

■ 「良い姿勢」がもたらす5つのメリット
良い姿勢が保たれると、見た目の「美しさ」はもちろん、カラダにさまざまなメリットがもたらされると考えられています。
①疲れにくくなる・・・余計な力を使わずエネルギー効率が上がり筋肉への負担が減るから。
②痛みの予防・・・関節への余計な負荷を減らし、腰や首の痛みの予防につながるから。
③呼吸の正常化・・・背骨が正常な位置にあることで、肺が十分に広がり、深い呼吸が可能になるから。
④消化が良くなる・・・消化器官の圧迫が軽減されることで、消化がスムーズになるから。
⑤心理的な改善・・・自信が持てるようになり、ストレスが軽減されるから。
できるだけ「良い姿勢」で生きていきたいものです。

治療院の立場から
姿勢改善したい 方へ
姿勢のパターン

■ 代表的な「姿勢のパターン」3つ
代表的な姿勢のパターンをご説明します。
●フラットバック型
背骨のS字カーブが減少し、まっすぐぎみになり頭部が前に出る
●猫背
背中(胸椎あたり)が丸くなり、立位だと腰が反り、頭部が前に出る
●猫背(スウェイバック型)
背中(胸椎あたり)は丸くなり、立位だと骨盤が前に出て、頭部も前に出る
■ 実際の「姿勢」は3次元で
代表的な「姿勢のパターン」のように、
●横から見た「姿勢」(前額面/前後の歪み)
を見て、その改善を考えていくことも重要なことですが、実際には前後の歪みだけ生じるという事は少なく、
●後ろから見た「姿勢」(矢状面/左右の歪み)
●上から見た「姿勢」(水平面/ねじれの歪み)
もあわせて、3次元で「姿勢」を見ていくことが、「姿勢改善」においては非常に大切です。特に「不良姿勢」の原因を追求し、根本的な改善をするためには、3次元で考え改善していくことが必要になってくるからです。

治療院の立場から
姿勢改善をしたい方へ
なぜ「姿勢」が悪くなるのか
■ 背骨の自然なS字カーブを崩す「原因」
先述したように「姿勢」のカギは、「背骨の自然なS字カーブ」です。自然なS字カーブが崩れると「姿勢」が悪くなります。
例えば、「猫背」は背骨の胸椎あたりの後湾が強くなり、丸まっている状態ですが、では、なぜこのようなことが起きるのでしょうか?その原因となる可能性をいくつかご説明します。

猫背の原因

●不良姿勢
不良姿勢を取り続けることで、カラダが固まり、姿勢に影響を及ぼします。
猫背の原因

●体幹インナー
カラダを支える体幹インナーマッスルが低下していると良い姿勢を保てず影響を及ぼします。
猫背の原因

●柔軟性
筋肉の柔軟性が低下することで、骨のアライメントが崩れ、姿勢に影響を及ぼします。
猫背の原因

●筋力
特に「抗重力筋」の筋力が低下していると、重力に負けて姿勢を保てず影響を及ぼします。
猫背の原因

●頭位/頭傾
頭の重さは体重の約10%、ボーリング球くらい重いです。座った姿勢でも、立った姿勢でも、頭の位置や角度が悪いと、姿勢に影響を及ぼします
猫背の原因

●呼吸
1日約2万回も行われている呼吸。解剖学的に正常な呼吸が行われていないと、首や胸の筋肉を過剰に使ってしまい、肩甲骨を引っ張り姿勢に影響を及ぼす可能性があります。
猫背の原因

●骨盤の歪み
骨盤が歪んでいると、その歪みが背骨を伝わり姿勢に影響を及ぼします。
猫背の原因

●バランスの低下
バランス機能が低下していると、片足で立った時にグラグラと不安定なストレスが背骨に加わり姿勢に影響を及ぼします。
■ 原因は「全身」に可能性があります
「姿勢」が悪くなるとは、自然な「背骨のS字カーブ」が崩れることですが、その原因は「全身」に及びます。
例えば、「抗重力筋」の筋力低下で、カラダが支えられず「姿勢」が崩れる場合がありますが「抗重力筋」は「全身」にあります。
また、筋肉の「柔軟性」の低下で姿勢が崩れる場合もありますが、上半身の筋肉の柔軟性低下が「姿勢」を崩すこともあれば、下肢の筋肉の柔軟性が低下し、それが骨盤を介して背骨のS字カーブを崩すこともあります。
また、上記に示した「猫背の原因」もこれが全てではなく他にも可能性があり、さらに「原因」が一つではなく2つ、3つも重なっている場合もあることが考えられます。
一時的な「姿勢」改善ではなく、根本的に「姿勢改善」を考える場合は、その原因を「全身」から、深く考えて行く必要があると思います。

治療院の立場から