《一生使う大切なそのカラダ》

KNEE
膝の痛みでお悩みの方へ
膝の痛みの豆知識
膝痛の方に知ってほしいこと
治療院の立場から
◼️とにかく多い変形性膝関節症
膝の痛みを語るうえで、避けては通れないのがこの「変形性膝関節症」だと思います。
変形性膝関節症でお悩みの方は推定1000万人。
60歳以上の女性は60%以上の方が発症していると言われ、80代以上の女性は80%が「変形性膝関節症」とのデータもあります。
変形性膝関節症は年齢が上がるにつれ多くなり、男性より女性に多い傾向があります。

◼️膝の痛みで歩けなくなることもある
「要介護・要支援になる原因」のトップが運動器の障害だと言うことをご存知でしょうか。運動器とは、「骨」「筋肉」「関節」「神経」など体を動かすための道具となる器官のことです。膝痛もこの「運動器」の障害の内の1つになります。膝の痛みが原因で要介護状態になる可能性が充分にあるのです。
◼️スポーツによる膝のケガ
スポーツによる怪我は「スポーツ障害」と「スポーツ外傷」に分けられます。
「スポーツ障害」とは繰り返す負荷により少しずつ組織が損傷され痛みが生じるケガで、膝では「ランナー膝」と呼ばれる膝外側の痛みや「膝蓋腱炎」と呼ばれるお皿の下の痛みが有名です。
「スポーツ外傷」は一度の大きな負荷で組織が損傷されるケガで、膝では「前十字靭帯損傷」や「半月板損傷」が有名です。
こういったスポーツによるケガは、その後の長い人生において後々に痛みや不調を生じるきっかけとなることも多くあリます。一つ一つのケガをきちんと治すことが大切です。

膝痛の方に知ってほしいこと
膝の痛みの部位
治療院の立場から
膝の痛みの改善を考える上で、痛みの部位がどこなのか?を知ることは、非常に大きな情報になります。
しかし「どこが痛いですか?」と聞かれても、多くの方は「よく分からない」のではないでしょうか?
膝の痛みがなかなか改善されない場合の理由の一つに、痛む場所が分かりにくい。と言う事が挙げられると思います。
しかし、逆に、痛みを感じる部分が特定できると、治療やリハビリを進めていく上で、とても重要な情報になります。
難しいかもしれませんが、よく感じてみてください。
まず、
◆膝のおもてなのか後ろか?
◆お皿よりも上なのか下なのか
◆内側なのか外側なのか
正確でなくても、なんとなくでも、多分でも、ざっくりでも構いません。
膝の痛みの部位を感じ取ることはとても難しいことだとは思いますが、
しかし、あなたの痛みは、あなたしか感じる事ができません。
よく感じてみてください。それが改善に向けたとても大きな一歩になると思います。
膝痛の方に知ってほしいこと
膝の痛みの解剖学
《お皿より上には何がある?》
治療院の立場から
◼️大腿四頭筋付着部
ももの前の筋肉を「大腿四頭筋」と言います。
・大腿直筋・中間広筋・内側広筋・外側広筋
の4つの筋肉がお皿(膝蓋骨)を経由し、脛骨(脛骨粗面)に付着しています。
※お皿(膝蓋骨)は種子骨と呼ばれ筋肉(腱)の中に埋め込まれている形です。
大腿四頭筋が過緊張により短縮することでお皿を(膝蓋骨)引っ張ったり、また、引っ張った状態で動かすことにより、大腿四頭筋がお皿(膝蓋骨)に付着するあたりに痛みを生じることがあります。

◼️膝蓋骨(お皿)
お皿を膝蓋骨(しつがいこつ)といいます。子供の膝の痛みに、有痛性分裂膝蓋骨というものがあり、10代のスポーツをしている子供に多く、お皿(膝蓋骨)が分裂しているため、痛みが生じます。
分裂している原因はよく分かっていないようですが、お皿の骨の外側上方が分裂していることが多く、膝蓋骨の上方が痛むことが多いようです。
ただ、分裂していても痛みや症状がないケースも多く、ジャンプや膝の曲げ伸ばしの負荷が強すぎたり、お皿を地面に強くぶつけたことをきっかけに、痛みが発症する場合もあるようです。
スポーツ
子供の痛み

◼️関節包と滑膜
膝をぐるっと包んでいる関節包。その関節包を覆っている薄い膜を滑膜と言います。
関節包の中は滑液という液体で満たされていますが、関節内に炎症が起こると滑液が増量します、これが「膝に水がたまる」状態です。
感覚的には「膝が全体的に腫れている」「膝がパンパン」「膝が腫れて曲がりにくい」という感覚のことが多いようです。
こういった経験がある方は、関節内の炎症が落ち着いても、その修復過程で関節包や滑膜が少し硬くなってしまい、膝の曲げ伸ばしの可動域が低下してしまったり、深く曲げたり伸ばしたいする際に痛みを感じることがあります。
特にお皿の上には関節上蓑という、膝の曲げ伸ばしでよく動く部分があり、ここが硬くなってしまうと、膝を深く曲げた際に、お皿の上につっぱりや痛みを感じる事があります。

膝痛の方に知ってほしいこと
膝の痛みの解剖学
《お皿より下には何がある?》
治療院の立場から
◼️膝 蓋腱(しつがいけん)
ももの前の筋肉の大腿四頭筋はお皿(膝蓋骨)を介し、膝蓋腱(膝蓋靭帯とも呼ばれる)となり、脛骨に付着します。
スポーツでのジャンプ動作、ランニングやストップ動作、階段の上り下り、などを繰りすことによって負担がかかり、膝蓋腱(膝蓋靭帯)に炎症を起こしお皿の下に痛みを感じる事があります。

◼️脂肪体
膝蓋骨(お皿)の下に脂肪体(膝蓋下脂肪体)という柔らかい組織があります。膝の曲げ伸ばしをする際に、滑らかに効率よく動かせるように働き、衝撃緩和の役割もあります。
膝関節内で炎症が起きた場合や、可動域が低下した状態が長く続くことなどにより、この脂肪体が硬く(繊維化)なってしまうことがあり、膝の曲げ伸ばしの際や、階段の下りなどの衝撃緩和が必要な際に、うまく働かなくなってしまい、お皿の下に痛みとして感じることがあります。

◼️脛骨粗面(オスグッド)
ももの前の筋肉「大腿四頭筋」が付着している部分を脛骨粗面(けいこつそめん)と言います。スポーツなどで大腿四頭筋を繰り返し使うことで、脛骨粗面を引っ張りすぎてしまい、痛みが生じることがあります。
これはオスグッド病(正式にはオスグッド・シュラッター病)と言われ、スポーツをやっている成長期の小中学生に多い痛みで、まだ成長しきっていない成長軟骨を剥離させてしまうことがあります。
・お皿の下の骨がでっぱってくる
・押すと痛い、赤く腫れる
・スポーツをすると痛むが、休むと治る
などの症状が特徴です。

スポーツ
子供の痛み
膝痛の方に知ってほしいこと
膝の痛みの解剖学
《内側には何がある?》
治療院の立場から
◼️内 側半月板
膝には大腿骨と脛骨の間に内側と外側に半月板という軟骨があります。
・膝にかかる荷重の分散や衝撃を吸収するクッション
・関節の位置を安定させる
といった役割があり。スポーツなどの激しい動きや、加齢に伴う繰り返しの負荷により、内側の半月板が傷ついていき、膝の内側に痛みを生じる事があります。半月板を損傷すると他にも、
・関節が全体的に腫れる(水腫)
・膝の曲げ伸ばし時に引っ掛かる感じがある
・体重をかけると痛む
などの症状が挙げられます。

◼️滑膜ヒダ
お皿の内側に「滑膜ヒダ」という組織があります。(※約半数の方にはあり、半数の方は無いようです)
激しいスポーツによる膝の曲げ伸ばしや、強くぶつけた、などにより炎症することがあり、お皿の内側あたりに「引っ掛かる感じ」や「曲げ伸ばしにくさ」などの痛みが出ることがあります。
これは「滑膜ヒダ障害」または「たな障害」と呼ばれます。

◼️鵞足(がそく)
膝の内側に鵞足(がそく)と呼ばれる部位があります。
これは、
・ももの裏(ハムストリングス)の筋肉【半腱様筋】
・ももの内側の筋肉【薄筋】
・股関節の前の筋肉【縫工筋】
この3つの筋肉が細く硬い「腱」になって付着している部分です。
3つの腱が集まって同じ場所に付着する部分は、解剖学的にも珍しく、腱と腱がこすりあったり、腱と骨がこすれたりすることで、腱や腱鞘・すべりを良くさせる役割の滑液包などが炎症をおこし、腫れや痛みとなります。

膝痛の方に知ってほしいこと
膝の痛みの解剖学
《外側には何がある?》
治療院の立場から
◼️外側半月 板
膝には大腿骨と脛骨の間に内側と外側に半月板という軟骨があります。
・膝にかかる荷重の分散や衝撃を吸収するクッション
・関節の位置を安定させる
といった役割があり。スポーツなどの激しい動きや、加齢に伴う繰り返しの負荷により、外側の半月板が傷ついていき、膝の外側に痛みを生じる事があります。半月板を損傷すると他にも、
・関節が全体的に腫れる(水腫)
・膝の曲げ伸ばし時に引っ掛かる感じがある
・体重をかけると痛む
などの症状が挙げられます。

◼️腸脛靭帯
腸脛靭帯は「大臀筋」と「大腿筋膜張筋」という2つの筋肉が合流して、脛骨の外側「ガーディ結節」というところに付着する筋肉です。(靭帯と名前がついていますが、筋肉です。)
腸脛靭帯は大腿骨の前方に位置しますが、膝が30度膝を曲がると後方に移動します。ランニングなどでこの動きが繰り返されると、大腿骨と腸脛靭帯がこすれて炎症をおこし痛みを生じることがあります。
「ランナー膝」と呼ばれ、長時間のランニングで膝の外側が痛くなることが特徴です。

◼️外側側副靭帯
膝は大腿骨と脛骨の内側と外側にある靭帯で安定性を高めています。
外側にある靭帯を外側側副靭帯と言い、スポーツや交通事故などで内側から強い衝撃が加わると、靭帯が引き伸ばされて損傷し膝の外側に痛みを生じます。

膝痛の方に知ってほしいこと
膝の痛みの解剖学
《裏には何がある?》
治療院の立場から
◼️筋 腱付着部
膝の裏には、
・ももの裏の筋肉(ハムストリングス)
・ふくらはぎの筋肉
がそれぞれ何本か付着しています。
その他にも、「膝窩筋」などの筋肉もあり、これらの筋肉の付着部や腱が炎症を起こし膝の裏に痛みとなっている事があります。

